転職お役立ちガイド 【これで安心!退職ガイド】

第3章 「再就職までのファイナンシャル・プラン」


1.まずは、「税金」編です。ここでは所得税と住民税についてご説明します。

(1)

あなたの所得税はあなたを雇用している事業者があなたに代わって納付しています!

給与所得を得ているあなた(勤労者)の所得税は、給与の支払者(事業者)があなたに代わって毎月のあなたの給与から控除し、納付しています。給与を支払う事業者は、あなたに代わって、あなたの所得税を納付する義務を法律で義務付けられているからです。

しかし、毎月のこの所得税額は、いわば暫定額であり、年に1回、年末の最後の給与または賞与の支払いに際し、給与所得控除・扶養家族控除・配偶者特別控除・社会保険料や生命保険、損害保険控除などの諸控除額の確定を受けて、事業者は、年末調整で最終税額を確定し、当該年の1月以降の暫定納付で過納付していた場合にはあなたに所得税の還付を、不足納付していた場合はあなたから追徴納付を行います。退職した場合、あなたを雇用していた事業者から退職した年の 1 月以降に支払われた給与・賞与の源泉徴収票を発行してもらう必要があります。辞めた年のうちに再就職が決まった場合、あなたは新しい会社にこの源泉徴収票を提出し、新会社で年末調整をしてもらいます。

しかし、同一年内に再就職が決まらなかった場合は、翌年2月15日〜3月15日までの間に、あなたは自分自身で自分の居住する地区の税務署で確定申告を行う必要があります。確定申告の結果、税金が還付されることが多いですが、給与所得が減っても、その他の所得が多ければ追加納付が必要な場合もあります。


(2)

住民税もあなたを雇用する事業者があなたに代わって納付しています!

住民税には、特別徴収(事業者があなたの給与から天引きしあなたに代わって納付)と普通徴収(あなた自身が納付)があります。特別徴収の場合、あなたの住民税は、通常毎月の給与から天引きされ、給与の支払者(事業者)があなたに代わって納付しています。

そのため、事業者は、毎年年末調整が終わった段階で、翌年1月末までに、あなた方各勤労者の市区町村宛てに、1月〜12月の年間所得額を報告しています。市区町村では、その前年1〜12月の所得額報告をもとに、当該年6月〜翌年5月までの当該勤労者の住民税額を算出し、当該事業者に月々の各勤労者の納付税額を報告します。

会社で特別徴収制度で納付していたあなたがその会社を退職した場合、1月〜5月までに退職した場合は、最後の給与で5月までの住民税の残りを全額一括徴収されます。6月以降の退職の場合は、翌年5月までの残額住民税は、特別徴収または普通徴収のどちらを採るかをあなた自身が選べるようになっています。


(3)

所得税と住民税はここが違います!

所得税は、税額を納付する側が早見表等を見ながら算出できるのに対し、住民税は、市区町村が算出決定します。市区町村によって住民税額は異なるからです。住民税は、退職したのが1月〜5月であれば、5月までの月々の税額はそれまであなたを雇用していた事業者があなたの給与から天引きして納付していた額と同額ですが、6月以降の月々の税額は前年1〜12月の確定した所得額により市区町村が5月〜6月頃決定するため、退職後、あなた宛てに連絡があるまで額がわかりません。

その場合は、自分の居住する市区町村に6月以降1年間の月々の住民税額がいくらになるのか問合せする以外に税額を知る方法がありません。また退職したのが6月〜12月である場合は、翌年の5月までの税額はやはりあなたが今まで勤めていた会社があなたの月々の給与から天引きし納付していた額となりますが、翌年6月以降の住民税は、翌年4月以降にならないと市区町村に聞いても税額はわからないことになります。


(4)

退職金に対する税金

[1]

まず退職金が支払われるか否かはあなたへの給与支払事業者の就業規則、退職金規定などにより確認しよう!

わからない場合はあなたへの給与支払事業者の総務・経理・人事部等の部署に問合せしましょう。また退職金にも税金がかかりま す。但し、税率は給与所得より安くなっており、勤務年数によって異なってきます。また年間所得とは切り離して、退職金だけで分離課税されます。

[2]

退職金の金額(税引き前GROSS)を算出するまたはあなたへの給与の支払事業者に聞きましょう。退職金の額がわかったら税金を算出してみましょう!

<1>

課税対象の退職所得額=(退職金GROSS−退職所得控除額)×1/2=N

<2>

退職所得控除額は勤続年数によって異なり、次表のようになります。

勤続年数

退職所得控除額

20年を超える

700,000円×(勤続年数―20年)+8,000,000円

20年以下

400,000円×勤続年数(但しこの式による算出額が800,000円未満の場合800,000円)

<3>

所得税の税額表

課税対象の退職所得額 N

所得税額

3,300,000円以下

課税対象の退職所得額 N×10%

3,300,000円超〜9,000,000円以下

課税対象の退職所得額 N×20%―330,000円

9,000,000円超〜18,000,000円以下

課税対象の退職所得額 N×30%―1,230,000円

18,000,000円超〜

課税対象の退職所得額 N×37%―2,490,000円

<4>

住民税の税額表

課税対象の退職所得額 N

所得税額

2,000,000円以下

課税対象の退職所得額 N×5%

2,000,000円超〜7,000,000円以下

課税対象の退職所得額 N×10%―100,000円

7,000,000円超〜

課税対象の退職所得額 N×13%―310,000円

<5>

退職金への税金は、退職金を受け取る時に源泉徴収されます。但し、退職前に「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしていないと(通常は、給与の支払事業者が手続き案内をしてくれますが)、所得税も住民税も退職金対象の上記の優遇税率を受けられません

退職金に対する税額は次の算出式となります。

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